ゴーゴーバーの立ちはだかる壁【バンコク タイ】
起きたら夕方だった。
久々のシングルベッドを堪能するかのように、ベッドの上で夜までだらだらした。
カオサンロードは、なんと大盛り上がりだった。閑散としていた今朝とは違い、まるで違う道を歩いてるようだ。
埋め尽くす群衆の風貌を見るに、そのほとんどが旅行者で間違いなかった。
ここが旅人の始まりの場所と終わりの場所なのか。夜になってカオサンロードがバックパッカーの聖地たる所以をようやく理解したのだった。
両脇には屋台があり、そのさらに脇には土産屋があった。
パッタイという焼きそば屋台があったので食べてみた。
150円程度のそれは、中華料理とはまた違った東南アジア特有のおいしさがあった。
嫌いではなく、むしろ好きな味だった。
そして、この時期のタイは非常に暑い。それに人の熱気がプラスされており、歩くだけで汗が噴き出る。
冷たいものがほしくなって探していると、ココナッツアイスが目に留まった。そのココナッツアイスを買って食べたみたが、これがもうほんとに最高すぎたのだった。
ココナッツは美容に良いから、、、という言い訳をして二つ食べてしまった。
しかし予想していたことではあるが、カオサンロードしかり、大勢の人が集まって創られる盛り上がりというのは、私の性格上そぐわないものだった。
遠目から、ちょっと見ているだけで十分だ。
カオサンロードは確かに感動させてくれたが、私はもう一日目にしていっぱいになってしまった。
日本人のイケイケグループやイケメン美女の白人軍団を尻目に、私はシングルルームに戻った。
そしてまたぐっすり寝たのだった。
そして起きたら朝の10時だった。
なんと12時間も寝ていた。
どんだけ疲れていたんだろう、私の体力とはどれほどのものなんだろうか。これから先大丈夫だろうか。
この高い宿にはおさらばして、ドミトリーに移る必要があった。
ここは世界で一番有名な安宿街、すぐにドミトリーは見つかった。
そしてそのドミは800円。やっぱりタイって宿が高いの?
まあいいや。
どさっと、バックパックを置いて、観光に出かけるのだった。
ちょうどお昼時だったので、何かご飯をと思った。カオマンガイを食べようと思った。
おいしいカオマンガイ屋があると聞きつけて、タクシーでその場所へと向かう。
タイのタクシーは中国以上に安かった。メモるのを忘れたので定かではないが、初乗りはたしか100円程度だった気がする。
日本のタクシーはなんて馬鹿馬鹿しい料金設定なんだろう。
カオマンガイというチキンライスのお店に着いた。カオマンガイは、鶏がらスープで炊いたご飯にチキンが乗っている超美味い一品だった。
30分も待ったが、並ぶ価値はあるほどのお店だ。
それに、40バーツ(120円)と安かった。
食べ終わって近くを散歩していると、なんとあの伊勢丹があった。すごい、、、。
伊勢丹の中の雰囲気は日本と変わらない。
ほかにもショッピングセンターや高層ビルが建っており、バンコクは想像を超える大都会だったのだ。
そういえば、中国に行った時も、都会すぎて衝撃を受けていたのを覚えている。
それは、私が無知で世間知らずだから、途上国の発展を知らずして驚いてしまった、というわけではない。
当然、バンコクの発展具合は、ニュースや旅行ブロガーの画像でも知っていたことだ。もちろん中国も同様に。
実際に行ってみて、実際に自分の目で見て、そこで初めて衝撃を受けるものなのだ。自分の目で見ないと全てがわからない。日本にいる時は、画像や動画をみて満足していたつもりだった。
分かっていたつもりだったが、本当は分かっていなかったのだ。
この時私は、日本を飛び出してきてよかったと思ったのだった。
伊勢丹には、日本の本屋もあった。地球の歩き方を立ち読みし、行きたいところをピックアップした。
その後も、適当に水上バスに乗ったり、地下鉄にも乗り、ショッピングセンターのカフェで休憩するなどした。
水上バスより地下鉄に衝撃を受ける私は一体なんなんだろう。地下鉄も日本と同じです。
夕ご飯は、ガパオライス。
これが本当に好きで好きでたまらなくて、めっちゃ食べまくってる。
そうして、時間は21時前になった。私は行きたいところがあったのだ。
それはゴーゴーバー。
一度見てみたかった、このゴーゴーバーというものを。一種の同業者として、この目に収めて何かを感じたかった。
ゴーゴーバーはストリートの両脇に立ち並んでいた。
女一人、そのストリートに入るのも躊躇してしまう。道の前をうろうろするだけ。
誰かに見られていないだろうか、不自然だろうか私は?といろんなことを考えていた。
元嬢なのに今更何の恥ずかしさを感じるのだろうか。
イケイケな感じがプンプンしていやだったが、意を決してゴーゴーバー街に入ることにした。
しかし、店に入る勇気は到底なかった。
ただ道を歩いただけで、その日は終わってしまった。
店の前でセクシーな衣装で呼び込みしている女の子たちを見て、
ああ、自分とは全く違う人種だなと思ったのだった。
もうゴーゴーバーはいいやと思ったがまた明日行くことになる。
メガネ君のおかげだ。
ドミトリーに帰り、そのメガネ君と初めて会った。
スラムダンクのメガネ君そっくりな彼は、初めての海外旅行でタイにきたという19歳。
とても明るく話しやすい子だった。
【スポンサーリンク】