私がゴーゴーバーにいって感じた事。
宿に戻ると、共有スペースで一人の日本男児と会った。
というか話しかけられたのだが。
スラムダンクのメガネ君を地味風にした彼だが、性格はそれとはまったくの別物。
見た目地味なのに明るい彼は、臆することなく話しかけてきた。
(超どうでもいいけど、私はスラダンの大ファンでメガネ君が一番好き。アニメも漫画も持ってた。)
メガネ君「すみません、日本人の方ですか?」
私「お、、そうです、日本人です。あなたも日本人の方ですか?」
メガネ君「そりゃ、日本語で話してますから日本人ですよ(笑)」
メガネ君「今日はどこに行ってたんですか?」
私「観光して、、、実は、ゴーゴーバーにも行ったけど、一人じゃ入る勇気がなかった。」
メガネ君「もしかしてレズですか(笑)それよりもゴーゴーボーイに行きませんか?」
私「いや、私はレズじゃないけど、ゴーゴーバーに行ってみたいかな」
メガネ君は19歳の短期旅行者で、初の海外一人旅だそう。
正直、最初はこの馴れ馴れしい感じに苦手意識があったのだが、コミュニケーションがすごいうまい子で話しやすかったのだ。今思うと、決して気が合うわけではなく、彼のコミュニケーション能力と気遣いのレベルが非常に高く、彼が私に合わせてくれてるように感じた。最近の10代は素晴らしい。
こうして、私は一緒に行く仲間ができたのだった。
明日は、メガネ君と観光するついでにゴーゴーバーに行くことに決めた
メガネ君はこれから夜のカオサンを練り歩くそうだが、私は疲れたのでもう寝ることにした。
翌日、昼前にロビーにてメガネ君と落ち合う。
私は、昨日から調べていた有名なパッタイ屋(タイの焼きそば)に行きたかったので、そこにいくことを提案。
眼鏡君とタクシーに乗り込む。
カオサンロードの場所は本当によくない。観光するにしても何するにしても、ここではタクシーは必須だ。こんなところに沈没するつもりなのだが、はたして何日沈没できるのだろうか。カオサンロード自体は好きでもないし、先行きが不安だった。
パッタイの有名店に到着したときはちょうどお昼時で混んでいた。
スペシャルパッタイなるものをオーダーしたが、量が多すぎて食べきることができなかった。確か日本円で800円だったが、どでかいエビと、たくさんのイカが入っていて、 まあ値段相応だった。
メガネ君が注文したパッタイは、卵の下にパッタイがある超美味しそうなもの。
メガネ君は、バンコクにはすでに4泊しており、明日日本へ帰国する。
ゴーゴーバーへは彼はもうすで行っているらしい。頼もしい。
下らない話をしながら、パッタイを食べたのだった。
お店を出て、次なる目的地へと向かう。
そこはワットポー。タイに行ったことがない人でも知っている?ワットポー。
しかし、ワットポーや寺院やら、そういうのはあまり興味がない私。実際に見てもなんとも思わなかった。
ピカピカしてるなー、ぐらいの感想しか抱かない。しかもここバンコクは激暑。正直帰りたかった。
ふつうは観光地に行く前に、そこの歴史や成り立ち、そのものの持つ意味など、軽く調べるものだろう。
しかし、私は全く調べなかった。それぐらい興味がなかったのだ。メガネ君が持参した地球の歩き方を開きつつ説明するのをふんふんと頷きながら、聞き流していた。
遺跡や自然が大好きな私でも、寺院や仏像は全く興味が湧かなかった。
だから、ワットポーには行かなくてもいいと思ってたのだが、行ったことがない私を気遣ってか、メガネ君が勧めてくるので誘いに乗ったのだ(メガネ君は2回目である)
まぁ、どうせ行くところもなかったから、暇つぶしにはなったのだけど。
何度も言うが、バンコクは暑かった。
日が落ちてきてもう夕方だというのに、まだ暑い。
ゴーゴーバーにいくにしてもまだ時間もあるし、荷物を置いてシャワーにも浴びたかったこともあり、私達はゲストハウスに戻ることにした。
カオサン近辺にある私たちのゲストハウスに着いたのは、6時ぐらいだった。
カオサンロードを8時に出発。
30分ほどタクシーに乗って着いた。ゴーゴーバーの選定は経験者のメガネ君に委ねる。
昨日は違う場所に着いた。
メガネ君は気遣いなので、我慢する必要はない旨を伝えた。
私「メガネ君、私に気を使わないで、いい女の子がいたら連れて帰ってね。」
メガネ君「いやいや、だから今日も見て飲むだけですって。しかもドミですから連れて帰れませんし(笑)」
私「シングルルーム借りればいけるよ」
メガネ君「いいですいいです。自分、身体売ってる女と寝るとか絶対嫌ですね!病気とかもそうですし汚くないですか!?(笑)」
私「確かに」
メガネ君「いやだってみんな知らないオッサンとかと何百回もやっ」
私「ああもう分かったって。いいから早く行こうよ」
メガネ君「はい、どこから行きますか?」
私「かわいい子がいそうなところかな(笑)」
相変わらず、ゴーゴーバー地帯は騒がしいところだ。恐らくどこのゴーゴーバー地帯もこんな感じなのだろう。日本の歓楽街とは180度違う雰囲気で圧倒される。
しかし、昨日一人でいった時とは違って、冷静にあたりを眺めることができるのは、間違いなくメガネ君という男がいるからだ。昨日と場所が違うということもあるが、目に映る景色がまるで違っていた。
改めて、こんな場所があることに驚きを感じたのだった。こんな大っぴらに嬢たちが外にでて勧誘したり、声をかけてみたり、日本だったら絶対にあり得ない。日本ではこれらは男の仕事だ。
彼女たちに羞恥心はないのだろうかと、この時純粋に気になったというか心配になったのだった。
とりあえず、一通り歩いて見て回って、適当なとこに入った。
入店してさらに驚愕した。衣類を身にまとっていない女性がポールダンスでウネウネ踊っている。これは本当だったんだ。
もう見ていられなかった。なぜかこっちまで恥ずかしくなって悲しくなってくる。
なぜこんなところで、しかも大勢の前で裸になれるのか理解できない。
百歩譲って大勢の人の前はいいとしても、ここに来てる人らが買わないことだってありえる。いや、買わない可能性のほうが高いだろう。ただの見物目的の人なんていっぱいいるはずだ。現に私たちがそれなんだ。
そんな客でもない、通りすがりの如くやってきたただの一般人に、自分の裸を見せびらかして、それでいいわけあるか。ハイリスクローリターンじゃないか。裸体さらして客をつかめなかったらどうするの。客をとれなかったら、裸体をさらしたその努力の価値とはいったいいくらになるの?
こんなの私には理解できないし、こんな売り形態あってはならない。ただ見せるだけでも女の身体には必ず価値があるんだ。私の言ってるその価値とは、お店からもらう固定報酬のことではない。裸をさらしてそれを見た男が払うお金、つまりインセンティブのことだ。体を見た人には必ずお金を払わせて、そのお金をお店経由なり直接なりいくらか受け取らねばならないんだ。こんなの、自分の投げ売りじゃないか。こんなの、公衆の面前で裸にされているのと全く同じじゃないか。
自分の友達や知り合いに見つかったらどうする。仮に友達も知り合いもいなかったとしても、毎日裸をさらして踊って、客でもないただの冷やかしの一般人に見せて、それで電車にのったり街を歩けるのだろうか。何も感じないのだろうか。
日本の風○は、身を売られて○俗やってます、っていう人は実はほとんどいない。ネット上の噂ではよくあるけど。
でもタイは違うかもしれない。もしかしたらタイには、身を売られてゴーゴーバーで働かさられている人もいるのかもしれない、だから私がこんなことを言うことは間違ってるのかもしれないし、失礼に値することなのかもしれない。でも、未だにどうしても、ゴーゴーバーだけは私は本当に理解できないし絶対に認めない。他にもあるんじゃないかな、日本並みとはいえないだろうけど、最低限のプライバシーが確保されているところが。
イスに着席してほどなくして、店員はすぐにドリンクを聞きに来た。
私は渡されたメニューをみた。そして驚いたのだった。飲み物が100バーツもしなかった。
日本円にしてたった300円弱、、、こんなんでお店は裸を見せる許可を出すのか。
私「入場料はないんだよね?」
メガネ君「ないっすよ、信じられないですよね~」
私はとても気分が悪くなった。
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