杭州で英語と腹痛に悩まされる。
和田さんと別れて杭州に向かった私。
中国の新幹線はすこぶる快適だった。
噂では、中国の列車はタバコの煙と唾と食べかすと話し声で最悪だと聞いていたが、
身構えていただけ損だった。新幹線に限っては、どうやらそうでもないようだ。
いや、ちょっとうるさかったかもしれないが、気が滅入るほどではない。
あっという間に杭州到着。
乗車時間は一時間程度だっただろうか。
駅を出て、少し歩いたところのローカル食堂で、チャーハンと豚肉の煮つけのようなものを頼む。
これがおいしい、うますぎる。チャーハンは微妙だけど、豚が美味しすぎた。25元と少し高かったが。。
豚肉は中国語で‟猪肉”らしい。一日目、ローカル食堂でメニューを見たときは本気でイノシシの肉なのかと思って衝撃を受けた。
食べ終わった後は、タクシーにとび乗り、目をつけていたユースホステルを目指す。
タクシーは安い。データ化した地図を見せて、あとはドライバーに任せてると、すぐに着いた。
杭州、というよりも中国がもう大都会過ぎてびっくりしてる。
ユースホステル周辺は趣あるし、もう町が世界遺産レベルだと思う。
ユースホステルの中に入り、空きがあるか確認。もちろん予約はしていなかった。
予約なしの飛び込み訪問に、心が躍るのは私が初心者バックパッカーだからだろう。
聞いてみると、どうやら空きがあるとのことで、一先ずは安心だ。
もちろんドミトリーにチェックイン。一泊1000円程度。
二段ベッド3つの6人部屋だ。
「ニーハオ」
私は軽い挨拶をして、ベッドに荷物を置く、
私が来たことによって、部屋のベッドにはもう空きがない。
嬉しいことに、本日の部屋は満員だったのだ。
ドミトリー内の人数が多ければ多いほど、会話をしなくても済むことを私は知っている。
人数が多ければ、一人当たりの会話量が少なるのは小学生でもわかることではあるが。
もし、こんな腹の内を曝け出したら、だったらドミトリーなんて泊まるなよとルームメイトに罵られるであろう。
私は寂しがり屋だが基本的には一人でいたいし、気が合う人以外、何時間も会話をするのが苦痛なのだ。
いやーしかし、ここのゲストハウス、ロビーにビリヤードもあるし、中国って本当にすごい。
余裕で中国住めると思う。
将来の移住先として中国はありかも。
訪れる前の中国の住環境は悪いイメージだったが、やっぱり現地に行って実際に見てみないと分からないものだ。
私にとっては中国は最高だ。
ホステルを出て、散歩しおおきな湖を見る。
なんてのどかな湖なんだ。素晴らしい。
ここで読書をしたら最高なんだろうな、等とそんなことを考えていた。
有名な湖なのだが、名前はすっかり忘れた。
どれくらいそこにいたか忘れたが、日が落ちてきたので戻ることにした。
部屋に戻ると、屈強なヨーロピアン2人と中国人の女の子1人しかいなかった。
いきなり、
「なあ、いまからディナー食べに行かないか?」と屈強なヨーロピアンに誘われた。
断れない日本人の私はもちろんOKサイン。
どうやら二人ともイギリス人のよう。
てっきり、中国人の子も行くかと思ったら、彼女はなんとここのスタッフらしく、忙しくて行けないらしい。
さっきまでベッドで寝てたのにこの子スタッフだったのか...。
3人で近くのレストランで食事。
麻婆豆腐など、いろいろなメニューをオーダー。
これがまたおいしすぎる。
そして、この屈強なイギリス人二人と仲良くなろうと、頑張って話そうとするのだが、二人の英語による会話に全くついていけない自分がいた。
二人が気を使ってるのがひしひしと気まずい空気とともに伝わってくる。なんと情けない。
自分は英語は話せる方だと思っていたので、これはすごいショックだった。アジア人の英語は理解できるのに、本場のイギリスの本気英語にはさっぱりだったのだ。
彼らの会話は5%も理解できない。
英語圏のネイティブスピーカーとは日本で何人かと出会っており、その時はわりとスムーズに会話はできていたように思う。いま思うと、彼らは日本人とのコミュニケーションに慣れていただけだったんだ。また、ほとんどが一対一の会話だったこともあり、話の内容が掴みやすかったこともある。
所詮、私の英語力は受験英語の産物であり、読み書きしかまともにできないのだった。
しかしきついな。
そんな時、腹痛がきた。
下痢だ。
トイレに駆け込み、15分ほど中にこもっていた。
旅の緊張とストレスか、それとも何かにあたったのかは分からないが下痢と腹痛でしんどい。
テーブルに戻ると、神妙な面持ちで彼らは私を迎える。
「大丈夫か?くすりはあるのか?」
もう体調もその場の空気も限界だった。
「ごめん、ちょっと体調悪いからホステルに戻るね。本当にごめん」
いくらかお金を置いて帰ってホステルに戻る。
私は二段ベッドの上だったので上り下りがしんどかった。
その為、シングルルームにすぐ移動。
そしてスタッフから腹痛が収まる薬をもらった。
スタッフの対応含め、なんと中国のユースホステルは居心地がいいことか。
その日の夜は何度トイレに駆け込んだかわからない。
下痢、下痢、下痢、下痢。下痢の連続。
吐き気がなかったのが唯一の救い。
でも、滅茶苦茶しんどかった。
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