タイのマイナービーチ行脚 最終日【Sathingphra】
フアサイを旅立つ日。
のんびりしていて海も時間帯によっては割と綺麗で最高マイナーリゾートのフアサイ。ここを去るのは名残惜しかった。
昨日、フアサイの綺麗なビーチを見ていて、ファンと話をしていた。
「南にいけばいくほど海がきれいになっているから、さらに南へいけばもっと海は綺麗になるはず」と。
ということで、また少し海沿いを南下することになった。
目的地はSathingphra Districtというところだ。グーグルマップに書いてあったが、もはや何て読むのかすら分からない。サシンプラと私たちは言っていたが、合っているかは未だに不明である。
この場所はソンクラー県内だ。ソンクラーといえば、あの深夜特急の著者が訪れた地域ではあるが、このサシンプラという場所はソンクラー中心部からかなり外れたところに位置している。もちろんネットに日本語の情報はなかった。
ということで日本語の情報はこのブログが初となる。割とうれしい(泣)
こういうところはかなりワクワクするもの。
宿をチェックアウトするとき、オーナーがペットボトルのお茶をくれた。がんばれ~って感じで。
日本のコンビニで売られてるようなお茶は、当たり前だが無糖である。しかし、タイで売られているお茶は砂糖入りなのだ。もちろん正直まったく美味しくはない。最初何もわからないで飲んだときは衝撃を受けた。
今回はオーナーのご好意からのお茶なので、感謝して頑張って飲むのだけど、やっぱりまずかった…。でもその優しさで味はいくらかマシに思える。
バイクに跨りサシンプラ地区を目指す。ここから70KMほどの距離。2時間もしないで着くはずだ。
海沿いの国道を走る。海からは少し離れており生い茂る木々やヤシの木が両脇にあり、当然海は見えない。海のにおいが立ち込めるのに、海が見えないもどかしさの中、ひたすら南下していくのであった。
南下していくに従ってムスリムの人も増えていく。タイ南部はイスラム教徒が多いらしい。
「バスが通る道を通るって前に言ったけど、この道バスいないよね?」
「うん、通らないね。」
かなりローカルなのだけど、国道で道は広いしセブンイレブンもあるのだ。車もそれなりに多かった。
10時出発で2時間弱走り続けてサシンプラに着いた。給油休憩を一回挟んだだけでここまで来た。
二時間ぐらいが私には丁度いい。
今まで走ってきた大通りには宿がないので、再び海側に向かう。
するとすぐに宿を発見できた。これまた目の前が海の好立地である。
宿を尋ねる前に、まずは海の水質の確認である。
遠目からだとよくわからない。海へ向かって砂浜をのっそのっそと二人で歩く。そして見る。
「なんか、良くないね…」
「くそだね(笑)」
これにはまじ萎えた。全然透き通ってない。更なるクリアーな海を期待してここまできたというのに。たった70KM離れただけでこうも変わるものか。
パタヤの海を初めて見たときにも落胆したが、それ以上に私は落胆した。手がつけられてない奥地に行けば、当然海は綺麗だと思っていた。期待し過ぎていたのだ。
唯一の救いは砂浜が広いこと、しかし人がまっっったくいないからそれが残念さを加速させる。後頭部だけを残して綺麗にハゲたおっさんの頭を見ているかのよう。
「海綺麗じゃないけど、ここに泊まる?」と聞くと
「泊まろう!」というのでここに泊まることになった、
宿の看板はタイ語だった。タイバーツの表記すらタイ語だ。注視してみないとここが宿だとはわからないだろう。
一泊800円ほどの宿。もちろんベッドがポツンとあるだけだ。おばちゃんは英語が話せないので、ボディランゲージとメモを駆使してファンは交渉した。
荷物を置いてご飯を食べに大通りへと戻った。
適当な吹き抜けのレストランに入った。メニューがタイ語で読めない。
それでも「カオパッドカイダオ!」と呪文を唱えると、チャーハンに目玉焼きが乗ったものが出てくる(カオパッドがチャーハン カイダオが目玉焼き)長いタイの滞在で気づいたのは、目玉焼きを乗せればなんでも美味くなるということだ。
ファンも私と同じものを頼んだ。
食べている時、知らない番号から着信があった。誰だろうと思って出てみると、勢いの良い女性がタイ語で捲し立ててくる。
私は英語で相手はタイ語。お互い理解できず。私は間違い電話かと思ったからもう切ろうかなと思った。
その女性は「チキン~ポーク~チキン~ポーク~チキン~」と歌いだした。
昨日の誕生日パーティのおばちゃんだと、この歌でようやく理解できた。そういえば私はおばちゃんに番号を教えていたんだった。
おばちゃんが昨日私たちをパーティに誘ってきたとき、ジェスチャーを交えこの歌を歌いながらバーベキューをやりましょうと表現していたのだ。
しかし、電話越しでの会話なんかできるわけもなく、私のタイ語のボキャブラリーでは、ただ「コップンカー!コップンカー!」としか言うことができなかった。
予想通り会話は成立せず、おばちゃんは笑いながら「オーケーオーケー」って言って通話を切った。痛恨の極み。
結局おばちゃんは何が言いたかったのか分からなかった。でも、間違いなく私に好意を持って電話してきたのは確かだった。
タイに2カ月以上も旅行していながらも、タイ語を一切覚えようとしなかった自分にこの時かなり苛立った。簡単なタイ語でも覚えておくべきだったと。
「昨日バースデーだったおばちゃんからの電話だったよ」
「そうなんだ。でも理解できなかったでしょ?」
「うん、できなかった。ボディランゲージ無しだと難しいね」
「昨日はかなり疲れたよ(笑)」
「うん。でも楽しかった」
「まあ、良くもないし悪くもない時間だったかな。みんな英語が話せないから何が言いたいか分からなかったよ。ただ食べるだけ」
え、そんなもんなん?わたし普通に楽しい時間だったんけど…。
確かに会話不能だったし、何がいいたいか一言も分からなかったけど、外国人がいないような地域でタイ人の誕生日パーティに参加できて、それだけで最高だったんだけど。
海が目の前にあって波の音が聞こえてきて、海に目を向ければ暗闇の中に地元の漁船が星のように光を放ってて、環境も最高だった。
何よりご馳走になったし全員優しかった、現地の人の優しさに触れれてかなり嬉しかったぞ私。おばちゃんなんかすごいおおらかなで良い人だ。通じないと分かってるのに電話もしてきてくれるナイスなおばちゃんだ。
もし自分の誕生日パーティに日本語も英語も話せない謎の外国人がいたら普通に嫌。てか絶対呼ばないし。
確かに昨日のファンは終始苦笑いのような感じではあった。でもちょっとショックだな。ファンもここまでマイナーところは無かったって言って目を輝かせてたのに。
まあ、感じ方は人それぞれではあるけど。
なんか、新たな出会いに感謝ウェーイってやってるウザい学生みたいだな、わたし。
もしかしてアマチュアパッカーすぎるのかな。
少しナイーブになって宿に戻る。途中で変なイルカのモニュメントの前に子供がいたので一緒に写真を撮った。
ファンは海に入るというが、やっぱり水質的に入る気になれないので私は止めた。もちろんここもパラソルもシートも無く、砂浜でまったりもできないから、ベンチで横になって英語の勉強をしたり音楽を聴いていた。
これもこれで悪くなかった。
夕方からバイクで町探検。公園に行ったらサッカーとバレーを足したような遊びをしていた男性集団がいたり、エクササイズをしているおばちゃん集団に遭遇した。
夜になったら、お昼に食べた同じレストランで夕ご飯を食べた。もう町が小さくて食べるところが同じ。他にもあるけどここが一番よさそうだった。
食べ終わってビールをファンは注文する。ファンとお互いの人生について話すのだけど、私が自分の過去をかなり偽るものだから、こういう話は全く意味がないものになってしまう。私は自己嫌悪に陥る。
「ゆっきーはすごいなー」て言ってくれてるけど、全然違うよ。嘘だから別にすごくないんだよ。むしろ最低の人間だよ。
聞き役に徹すると楽になる。
フアサイと同じく宿の周りは一切街灯がなくかなり怖い。案の定、野良犬の集団に取り囲まれてしまった。
この犬たち飛びかかってきそうな勢いで吠えてくるから怖すぎなのよ。バイクに乗ってても追いかけてくる。それに私後ろだから最初に狙われる…。
しかもなぜか犬は現地民はガン無視で私たちばかりにくる…。ほんとこのアホ犬何がしたいの。
ファンは冷静に少しずつ進む。「彼らのテリトリーを抜ければ追いかけてこないから」そう言いバイクを押して進む。
しかし宿までテリトリー内なのか吠えて付いてくる。幸いにも宿のおばちゃんがいて追いやってくれる。タイ恒例である現地民の「うらぁ!」の一言でどっか逃げてく。もはや定番コント。まじでなんなのか
寝る直前「アオォ~~ン」って遠くから透き通った犬の鳴き声が聞こえてくる。すごいところにきたんだな~と実感。
と同時に、
もう勘弁して、、、と思う。
わたし本当は犬好きなんだぞ…
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