ゆっきーのローカルを巡る世界一周

元風俗嬢の世界一周。このブログはフィクション

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バイク旅って素晴らしい【スラタニ~フアサイ】

朝8時に起床。意外にも早く起きてしまった。

 

 

出発の10時までまだ時間があった。今更出発時間を早めるのも面倒だ。

 

外に出て、ランスアンで食べた具だくさんお粥を朝食にした。相変わらず美味しい。卵が生っぽかったけど 

 

 

 

6月から10月のタイは雨季、しかし今日のスラタニはバイク日和の快晴だった。そもそもタイの雨季は夕方に強いスコールが降るだけで、それ以外の時間は大抵晴れているのだけれど。

部屋で支度を済ませてファンを待った。正直、やっぱりメンドクサイな、バイク辛そうだなってこの時思っていた。そして10時にファンが私の宿に到着した。

 

 

 

「オハヨウゴザイマス」

「おはようございます(笑)」

「ゆっきーは何時に起きた?」

「8時。ファンは?」

「6時」

「はや!」

 

ファンのバイクを初めて見た。予想はしていたが、やっぱりデカくてカッコイイバイクではないことにガッカリ。多くのタイ人が乗っているような頼りないバイクだ。原付っていうのかな。

これで長距離移動に耐えられるだろうかと心配してしまう。

 

 

お互い朝食は済ませていたので、さっそくバイクに乗る。

ファンは足元に自分のバッグを置いて、私のバックパックを前の方に背負ってくれた。

 

昔、なんかのバラエティー番組を見ていたら『韓国人の男は女の荷物を全て持つ』っていうのを放送していたけど、これは本当なのかな。

 

 

さて、バイクの後ろに座ったがいいが、手をどこにおいて体勢を保てばいいか分からない。相手が彼氏であれば抱き着くような感じが一番楽なのだが(ジェミーの時もそうだった)。

 

聞いてみたら「肩においていいよ」と言われたので、そうすることにした。

 

いよいよ出発かと思いきや、すでに汗臭いファンに気づいてしまい、それが割と不快だったので「ちょっとまって香水つけるから」と言い、自分に香水をかけるフリをして後ろからファンにかけた。

 

 

 

 

ようやく準備完了だ。

HUASAIに向けて出発。

 

走り始めたバイクは何とも爽快。

 

 

ルート案内係に立候補した私だったが、大通りをでて真っすぐ行けば第一の目的地のナコンシータンマラートに着くので、わたしの役目はあって無いようなもの。

ずっと外の景色を眺めるだけでよかった。

 

たまに「まってスピード出しすぎ!」と後ろから難癖つけるぐらいだ。

 

 

走り出してから10分もしないうちに、スラタニの町を抜けることができた。スラタニはかなり小さな町だった。

 

街を抜ければのどかなタイの風景を見ることができる。列車からの窓越しの景色とはまた違う。

 

 

 

ファンと会話をしようとしても、バイクで走りながらでは私の声がバイクの音と風によってかき消されてしまう。その為、何か面白いものがある度に「あれ○○じゃない!?」って感じで指さして、簡単な発見だけをお互いで共有していた。

 

そうはいっても、取り立てて目を輝かせるほどの景色ではなかった。バナナやマンゴーやパイナップルが沢山のトロピカルロードでもなく、動物がいたりする物凄いジャングルロードでもない。日本の田舎の国道に似ているものの、それでも所々にヤシの木があって南国感は出ていた。

(ファン曰く、パイナップルはそこらへんに結構あるらしいが、私は一度も見ていない)

 

誰が泊まるのだろうかと心配してしまうような何もないところに、ポツンとバンガロー的な宿があったり、ボロボロの高床式の家もあった。タイにも高床式の家があったとは。

ガソスタもあちらこちらにある。

 

 

 

 

じりじりと照り付ける太陽とバイクで走り抜ける風が、かなりマッチしていた。

しかし、そのうちにアップダウンが多くなる。ついに山に突入した。まさか山があるとは思わなかったが、ファンは何も言わずにつき進む。

急なアップダウンはなかったが、後ろに座ってる私にとってはそれはしんどいものだった。身体が持ってかれそうになるし、お尻中心にキツイ。

 

 

山を抜けると再び道は平坦になる。

 

 

 

ファンが言う通り、道中にセブンイレブンがいくつかあった。

 

 

ファンが休憩しようというので、セブンイレブンで休憩。

セブンイレブンではレッドブルを買った。タイのレッドブルは強力というのは前々から知っていた。何でも日本で許可されていない成分が入っているとか入ってないとか。とにかく今がまさにこのレッドブルに頼るべき時だろう。

 

たった30円の激甘で薬味のタイのレッドブル。結果からいうと何も変わらなかった。

 

 

たいてい、セブンイレブンの前には豚肉の串を焼いてる屋台がある。これがスーパー美味しい。

 

 

 

 

休憩を終え出発してすぐ、ナコンシータンマラートに着いた。ここは目的地のHUASAI(フアサイ)までバイクで1時間ほどの距離にあたる。

 

ナコンシータンマラートは小さな町で、タイ南部の観光地としては割と有名らしい。ただ、それもタイ南部の中での話だ。外国人からしたら、タイ全体でみるとマイナーな街であることに変わりはなく、私はこの町では外国人観光客は見ていない。

 

 

ナコンシータンマラートで遅めのお昼ごはんをとることにした。昼食後は甘いものがほしくなるもので、列車の駅前にあるカフェへ移動した。

カフェでデザートを食べていると、強い雨が降ってきた。スコールだ。目的地のHUASAIまではも近いうため、わたしたちはのんびり待つことにした。

 

ファンは奥さんに道中の写真を送り付けている。かなりマメな男だ。

ファンの奥さんを見せてもらったが、やっぱり美人だった。次期社長の看板があって性格が良いと美人をゲットすることなんて容易いのかなと思う。

 

「奥さんは私といること知ってるの?」

「知らないよ。誤解して怒られたくないから教えてない」

 

「てかさ、サムスンの社長と会ったことある?」

「ないよ(笑)取引もない。うちは小さい会社だよ」

 

「ところでゆっきーは結婚しないの?彼氏は?」

「今は彼氏はいない。結婚したいし彼氏ほしいんだけどね。誰か紹介して」

「わかった(笑)どんな人がタイプなの?」

サムスンの社長(笑)」

「ははは。日本人の女性はサムスン好きなの?」

「冗談だからね!真面目に言うと、優しければ誰でもいいよ。」

 

そんな下らない話の後、サムスン関連で真面目なお話をしてくれた。特に尋ねたわけでもないのだが、韓国全体のビジネスシーンにおけるサムスンの影響力についてファンは話を始めた。

 

彼らの事業はエレクトロニクスだけではないこと、サムスン子会社ではないファンの会社でさえもサムスンの影響を直に受けていること、、、そんな話をしていたが、実際その話題は私にとってはどうでもよかった。それよりも彼の話し方がすごい丁寧で分かりやすくて、その説明力が参考になるのだ。

 

説明の順序立てが物凄い上手で、まるでレジュメとスライド無しのプレゼンを聞いているかのよう。頭のいい人は脳内でフローチャートの構成を完成させて、かみ砕いて相手に分かりやすいように伝えることができるのだろう。

 

就職前の意識高い系だった頃、適当に選んだ元凄腕外コン社員が提唱するプレゼン術的な本を読み漁っただけの私とは天と地の説明力。これがアホと天才の才能の違いなんだろう。

 

誰かと話をしていて「あ、この人頭良くて仕事できるタイプの人だな」って思わされることがたまにあるが、ファンと話した印象がまさにこれである。

 

そしてそういう人は大抵モテる。ファンに美人の奥さんがいるのも、次期社長という看板だけではないんだなとこの時気づかされたのだ。

 

さらに私は、ファンの奥さんって整形なの?多くの韓国人は整形してるんでしょ?と聞きたかったが、ぐっと好奇心を抑え堪えた。

 

 

 

 

そんな下らない話と真面目な話をしていたら、17時になっていた。

もう雨は止んでおり、夕日の時間が迫っていた。出発しなければならない。

 

HUASAIに行って海に沈む夕日を見たかったし、夜のバイクは危険と思えた。

タイ南部の田舎道は、路肩の他にバイクが安全走れる十分なスペースがあるものの、日本のような街灯はない。

 

 

 

しかし、一時間強走ったらHUASAIらしき海に到着した。日は沈みかけており、もう暗くなる寸前だ。

 

 

想像以上に未発展のこのまちにホテルがあるか心配だった、もしなかったら夜道を走ってナコンシータンマラートに戻らなければならない。

 

だが、そんな心配も杞憂におわり、幸いにも海沿いの道を走ると安宿を発見した。値段は日本円で1000円程度だ。夫婦でやっているらしく、宿のオーナー主人は英語が話せた。

 

ひとまず安心だ。これまたベッドがポツンとあるだけだが、海に面したリゾートホテルと捉えれば最高である。

 

夕日は残念ながら海とは逆側に沈んでしまった。

 

夕ごはんを食べに行こうと賑やかなところまでファンとバイクで行ったが、街灯が全くなかった。夜はめちゃくちゃ危険だ。

 

タイラーメンを食べて宿に帰る途中、犬の集団に追いかけられた。

そういえば昼間にもたくさんの犬がいた。タイ南部は恐ろしいぞ。犬は好きだけど、タイの犬だけはどうしてもダメ。

 

疲労困憊で私は部屋にこもってすぐに寝た。

 

かなり疲れたけど楽しかった。

バイク旅を選んで正解だったと心から思うのだった。

 

 

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