ゆっきーのローカルを巡る世界一周

元風俗嬢の世界一周。このブログはフィクション

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田舎町ランスアン!

夜中の3等列車は辛い。

 

 

ずっと同じ体制で座ることだけでもキツイというのに、周りの心地よい寝息やいびきが聞こえてくる中、ただ一人だけ寝れずに座っているのはなおさら辛かった。

もちろん時間が経つにつれて瞼が重くなるのだが、それでも寝れずに身体の痛みを耐え続ける。

 

そこにはもはや、数時間前に浸っていた旅情緒なんてものはなかった。暗闇で景色なんて見えやしない。加えて話し相手もいない。無理やりに人間観察に講じるも、寝ている人間の姿は万国共通であり、それはそれはつまらないものであった。

 

 

 

スマホの充電が切れそうになったので、モバイルバッテリーを差し込んでネットサーフィンをした。

 

そうだ、私にはまだネットがあった。

以前、ベトナムカンボジアを旅した時は特定のところでなければネットなんてできやしなかった。でも今はどこでもネットができるのだ。便利だけど、これでいいんだろうかと思ってしまう。ネット依存症だから欠かせないのだけれど。

 

 

 

そして寝ているのか起きているのか自分でも分からないままに数時間を過ごしていると、ランスアンにようやく着いた。早朝だった。

 

お世話してもらった乗客たちにバイバイした。3等は面白いけど、それ以上にキツイからもういいや…。短距離ならいいけど、夜通しの移動はキツイ。

 

 

 

 

 

 

ランスアンは日本語の情報はかなり少ない。誰かの個人ブログで少し紹介されているぐらいだった。外国人なんて先ず立ち寄らない地域だ。

宿の詳細な情報はなかったけど、この町のどこかに宿が存在することは分かっていた。

 

街の写真なんてほんの数枚しかなかったし、ランスアンがどんな雰囲気なのかもわたしはわからない。

しかし分からないこそ楽しい。列車に降りると眠気と疲労がぶっ飛んだ。とてもワクワクしていた。これがアドレナリンというものなんだろう。

中国とバンコクで感じたそれと近いワクワクがあった。しかしそんな今までの都会旅とは一転してこれからは田舎旅だ。タイの田舎とはどれほどの田舎なのか興味が擽られる。

街歩きをしながら宿探しをする。

 

 

 

ランスアンは素朴な街で、予想していたほどジャングルってはない。タイの田舎町ってどこもこんな感じなのかな。

いろんな建物がいくつも並んでおり、その全てが古い造りだ。バンコクのような先進的なショッピングモールはない。

当然、外国人なんているわけない。

でもセブンイレブンがあるのはさすがにびっくりした。

 

 

 

のんびりとしている街をきょろきょろしながら歩く。外国人感丸出し。

 

 

 

鉄道駅の町といえども、ランスアンはものすごい小さい町だった。それ故に安宿はすぐに見つかった。

田舎の宿は超安いのかと思いきや、そうではなかった。

 

 

一泊1000円、そしてベッドがポツンと一つあるだけ。

これで1000円?と問い詰めたくなるほどに部屋は簡素でどこにでもありそうな安宿だ。土地代と客層を踏まえても、もう少し安くてもいいのではと思ってしまう。

 

 

田舎だからといってもタイの宿は安くはないらしい。教訓。

 

 

 

ただしこの宿、受付があり英語で書かれた料金表もあった。ここに外国人が泊まるとは思えないけど。

 

 

 

 

宿を出てさっそく朝ごはんを食べに外に出ると、近くに行列をなしている屋台があった。バンコクでは行列ができるレストランを見かけたが、行列ができる屋台は見かけていなかった。

これは期待と思って覗いてみると、なんとお粥だった。

 

しかしただのお粥ではなく、温泉卵と生姜と豚の臓器やらその他色々入っている具沢山の御粥だった。これはおいしそう。

料金は30バーツ(90円)ごはんがバンコクパタヤよりも安い。バンコクパタヤの屋台はどんなに安くて40バーツからだった気がする

 

 

肝心の味は予想通り最高だった。旅行マジックなんておもわせないほどに美味しかった。

このお粥はバンコクパタヤでは見かけていない。田舎?南部?にしかないのかな?この後にいったスラタニでもこのお粥は見つけることができた。

 

 

列車では全く寝れなかったので、私は帰って寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

起きるともう夜になりそうだった。スコールあがりのランスアンはとても涼しかった。

 

プラプラ歩くと、ナイトマーケットを発見した。そうそう、こういうのが見たかったの。

 

 

見世物のような観光客商売の市場ではなく、地元民だけの市場。

バンコクのウィークエンドマーケットもサイアムのナイトマーケットもよかったけど、こういうローカルなところも味があって素晴らしい…。

 

 

市場で働いてる人達にはもちろん英語が通じないけど、それがまたいいのだ。

 

 

 

 

 

見た目がトゲトゲしてて可愛いウニのようなフルーツを売ってる子がいるので、一つだけくださいなと指さして簡単な英語で言ってみると、この子は英語が話せる子だった。

「ごめんなさい。1個だけはうれないの。まとまっていくつか買ってくれないと」

(まじでか…どうしようかな…)

「でも、一個だけならあげるよ。お金はいらないよ」

「いや払う!10バーツぐらいかな?」

「いらないいらない!」

「いいの?コップンカー!」

 

感謝。なんて優しい子なんだ。もう最高。

 

 

ウニみたいなフルーツは剥くとライチっぽい。美味しかった。

 

「おいしい!10個ほしい!」

「わかったわー。ところであなた何歳?日本人?」

「日本人です。○○歳でっす」

「わたしと一緒!!」

 

こういう交流いいわぁ。

 

 

 

ランスアンは海に近いから海の幸も市場で売られている。小さなカニさんをフライしたものが30バーツだったから、いくつか購入した。

持ち帰って宿で食べよう。

 

このランスアンのマーケットはいい雰囲気だ。

タイにはどんな街にも市場があって屋台がある。毎日がちっちゃなお祭りみたい。

この環境があるタイ人が羨ましいなと思うのだけれど、仮にもし日本にあったとしても楽しめないのだろう。

 

 

 

 

 

ランスアンには4泊した。

すっごいのどかで良いところだけど、いかんせん何も無いのがランスアンである。2泊目にしてもう飽きてしまった。その飽きた先に居心地の良さが現れるのが田舎のポイントなのだろうが、わたしは出発することにしたのだ。

 

 

結局4泊だけして出発してしまったけど、ランスアンのようタイの田舎は私は好きになった。

〝ガイドブックに載ってない地域を攻めてこそバックパッカーでしょ〟と思ってタイの田舎に訪れたが、わたしのような素人パッカーが至るこんなくだらない思想を凌駕するほどに素晴らしい経験だった。その数日後、これ以上に素晴らしいマイナー地域に行くことができ、いわばハードルのような地域だったと今になって思う

 

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